Azure Container Instances (ACI) を活用したお手軽な学習・開発環境
Posted on February 16, 2025
|
Azure Container Instances (ACI) を活用したお手軽な学習・開発環境 はじめに Azure Container Instances (ACI) を使うと、仮想マシンを用意することなく、簡単に Windows や Ubuntu などのコンテナ環境をクラウド上で利用できます。
本記事では、実践に沿った ACI の基本概念、簡単なハンズオン、活用事例について紹介します。
Azure Container Instances (ACI) とは? ACI は、Azure 上でコンテナを実行できるサービスであり、以下の特徴があります。
仮想マシン不要:インフラの管理が不要で、コンテナ単位でデプロイ可能 迅速なスケール:リソースの割り当てが自動で、すぐにコンテナを起動 Windows/Linux 両対応:Windows Server コンテナや Ubuntu などの Linux コンテナが利用可能 コスト効率が高い:使用した分だけ課金されるため、短時間の学習や開発に最適 簡単なハンズオン ACI で Ubuntu 環境を立ち上げる 必要なもの Azure アカウント(無料アカウントでもOK) Azure CLI(ローカル環境で使用する場合) 1. Azure CLI でログイン az login 2. ACI で Ubuntu コンテナを作成 az container create --resource-group myResourceGroup \ --name myUbuntuContainer \ --image ubuntu \ --cpu 1 --memory 1.
[Read More]情報系学生におすすめのクラウドサービス教材と事例紹介
Posted on February 15, 2025
|
情報系学生におすすめのクラウドサービス教材と事例紹介 はじめに クラウドサービスは、学生や若手エンジニアが研究や開発を進める上で非常に有用なツールです。
特に、データ分析、機械学習、システム開発、インフラ管理など、多岐にわたる分野で活用されています。
本記事では、学生におすすめのクラウドサービス教材と、簡単なハンズオン、実際の活用事例を紹介します。
おすすめのクラウドサービス 1. Microsoft Azure Azureは、幅広いクラウドソリューションを提供しており、学生向けの無料プランもあります。
主な特徴 仮想マシン、データベース、AI/MLサービスの提供 無料アカウントで一定のクレジットが付与 Microsoft Learnでの充実した学習コンテンツ おすすめ教材 Microsoft Learn - Azure Fundamentals Azure for Students 2. Google Cloud Platform (GCP) GCPは、データ分析や機械学習向けのツールが充実しており、特にBigQueryやVertex AIが注目されています。
主な特徴 データ処理向けのBigQuery、ML開発向けのVertex AI 学生向けにGCPクレジットを提供 CourseraやGoogle Cloud Skills Boostを通じた学習プログラム おすすめ教材 Google Cloud Skills Boost Coursera - Google Cloud Specializations 3. AWS (Amazon Web Services) AWSは、クラウド市場でのリーダー的存在で、EC2(仮想マシン)やS3(ストレージ)などの基本機能からAIサービスまで幅広く利用できます。
主な特徴 世界最大規模のクラウドプロバイダー 豊富な学習リソース(AWS Academy、AWS Educate) 無料枠での利用が可能 おすすめ教材 AWS Educate AWS Training and Certification 簡単なハンズオン ここでは、Azure Container Instance(ACI)を使ってDocker環境をクラウド上に構築する簡単なハンズオンを紹介します。
[Read More]技術系勉強会等(クラウドやCTF)参加のススメ
Posted on February 14, 2025
|
技術系勉強会等(クラウドやCTF)参加のススメ はじめに 技術系勉強会は、最新技術を学び、実践的なスキルを磨き、エンジニア同士の交流を深める絶好の機会です。
特にクラウドやCTF(Capture The Flag)の分野では、実際の環境で試せるハンズオン形式の勉強会や、実力を試せる場が豊富にあります。
本記事では、高校生や若手エンジニア向けに、おすすめの勉強会やサービス、参加のメリットについて紹介します。
技術系勉強会に参加するメリット 1. 最新技術の習得 勉強会では、業界の第一線で活躍する専門家が最新技術やトレンドを解説します。クラウド技術やセキュリティの最前線を学ぶには最適です。
クラウド系コミュニティでは、Japan Azure User Group などの有志によるコミュニティも活発でお勧めです。
Japan Azure User Group(https://r.jazug.jp/) 今回は、場の紹介という点で、公式もしくは、1人でも手探りで参加しやすそうな場を取り上げます。
2. 実践的なスキルを磨ける 多くの勉強会はハンズオン形式で行われ、実際にコードを書いたり、クラウド環境を構築したりしながら学べます。
3. コミュニティとのつながり 他のエンジニアや技術者と交流することで、新しい知見を得たり、キャリアのヒントを得たりすることができます。
4. モチベーションの向上 同じ興味を持つ仲間と学ぶことで、モチベーションが高まり、学習を継続しやすくなります。
おすすめの技術系勉強会・サービス クラウド関連 Microsoft Learn Community(https://learn.microsoft.com/) Azureに関するハンズオンやイベントが定期的に開催されている。 AWS Hands-on for Beginners(https://aws.amazon.com/events/) AWSの基礎を学べるハンズオンイベント。 Google Cloud Innovators(https://cloud.google.com/innovators) Google Cloudの活用方法を学べるコミュニティ。 CTF(Capture The Flag) SECCON Beginners(https://www.seccon.jp/) 初心者向け特化のSECCON関係CTFイベント。 picoCTF(https://picoctf.org/) 学生向けのオンラインCTF、セキュリティを基礎から学べる。 CTFtime(https://ctftime.org/) 世界中のCTF大会のスケジュールを確認できるサイト。 その他の技術系勉強会 connpass(https://connpass.com/) 日本国内の技術系勉強会が集まるプラットフォーム。 Doorkeeper(https://www.doorkeeper.jp/) 多少技術寄りではない会も見受けられるが、様々なイベントが登録されている。 Meetup(https://www.meetup.com/) 国際的な多種多様なコミュニティイベントを検索可能。 参加のコツ 1. 興味のある分野を絞る クラウド、セキュリティ、AIなど、自分が特に興味を持っている分野の勉強会を選びましょう。
2. 初心者向けイベントから参加 最初から高度な内容のイベントに参加すると難しく感じることがあるため、初心者向けのハンズオンや基礎講座を活用しましょう。
[Read More]Azure Machine Learningを活用した手軽な機械学習モデルの利用事例
Posted on February 13, 2025
|
Azure Machine Learningを活用した手軽な機械学習モデルの利用事例 1. はじめに 近年、数学・工学系の研究者や開発者にとって、機械学習(ML)は重要なツールとなっています。しかし、多くの研究者は「環境構築が大変」「計算リソースが足りない」「セキュリティが心配」などの課題に直面します。
そこで、本記事では**Microsoft Azure Machine Learning(Azure ML)**を活用し、手軽に機械学習モデルを利用する方法とそのユースケースを紹介します。
2. Azure Machine Learningとは? Azure Machine Learning(Azure ML)は、Microsoft Azureが提供するクラウドベースの機械学習プラットフォームです。主な特徴は以下の通りです。
環境構築不要:クラウド上でJupyter NotebookやPython SDKをすぐに利用可能。 スケーラブルな計算環境:GPU/CPUを選択し、オンデマンドでリソースを拡張。 簡単なモデル作成:ドラッグ&ドロップで使えるAzure ML Designerや、AutoML機能を搭載。 エンタープライズ向けのセキュリティ:Azure Active Directoryや暗号化機能により安全な環境を提供。 3. 研究・開発用途での活用事例 3.1 数学・工学系のデータ解析と予測モデル 物理シミュレーション結果の解析
数値解析の出力データをAzure MLに取り込み、統計分析やトレンド予測を行う。 例:流体力学のシミュレーション結果を解析し、異常なパターンを機械学習で自動検出。 最適化問題の解決
線形計画法、非線形最適化の結果を強化学習で改善し、より効率的な解を求める。 例:材料工学の分野で最適な合金組成を探索するための機械学習モデル。 3.2 画像解析を用いた研究支援 顕微鏡画像の分類
生物学・医学研究で利用される顕微鏡画像をAzure MLで自動分類。 例:細胞画像を**畳み込みニューラルネットワーク(CNN)**で解析し、異常細胞を検出。 材料解析
材料工学において、金属やポリマーの結晶構造画像を機械学習で解析。 例:X線回折データを基に新しい材料特性を予測。 3.3 センサーデータの異常検知 IoTデバイスのデータ解析
物理・工学研究で利用するセンサーからのデータをAzure MLで解析し、異常を自動検出。 例:実験室の温度・湿度センサーのデータを用いて、異常値をリアルタイムで警告。 製造プロセスの最適化
工場や研究室の装置からのログデータを解析し、故障の予兆を検出。 例:半導体製造プロセスのデータから、異常なパターンを学習し、品質管理を改善。 4. セキュリティとデータ管理 Azure MLはエンタープライズレベルのセキュリティを提供し、研究データの保護を強化します。
4.1 データの安全管理 デフォルトでデータ暗号化 Azure Active Directoryによるアクセス制御 **プライベートネットワーク設定(VNet統合)**により、研究データを外部から隔離。 4.
[Read More]Azure Machine Learningで学ぶ!簡単な家計簿&気温データの可視化
Posted on February 12, 2025
|
Azure Machine Learningで学ぶ!簡単な家計簿&気温データの可視化 1. はじめに 最近、「データ分析」や「AI(人工知能)」という言葉をよく聞くけれど、なんだか難しそう…と思っていませんか?実は、小学生でも楽しく学べる方法があります!
今回は、**Microsoft Azure Machine Learning(Azure ML)**を使って、家計簿データと日本の気温データを簡単に分析&可視化する方法を紹介します。
2. Azure Machine Learningってなに? Azure Machine Learning(Azure ML)は、Microsoft Azureが提供するクラウドベースの機械学習プラットフォームです。
つまり、「インターネット上にあるスーパーパソコン」を使って、AIやデータ分析ができるサービスです!
主な特徴は: ✅ パソコンにソフトを入れなくても使える!
✅ 難しいプログラムなしでデータを分析!
✅ クラウドなので、いつでもどこでもアクセス可能!
3. 【事例①】Azure MLで簡単!家計簿データを分析して節約しよう📊 3.1 家計簿データを用意しよう まずは、1ヶ月の家計簿データを用意します。例えばこんな感じ:
日付 費目 金額(円) 2025/02/01 食費 2000 2025/02/02 交通費 500 2025/02/03 食費 1500 2025/02/04 娯楽費 3000 2025/02/05 交通費 700 3.2 データをAzure MLにアップロード📤 Azure Machine Learning Studioにログイン データセットを作成(CSVファイルでアップロード) Azure MLの可視化ツールを使って分析開始! 3.3 家計簿の可視化をしてみよう📈 Azure MLのデータ可視化ツールを使うと、こんなグラフが簡単に作れます!
【例①】費目ごとの支出割合(円グラフ)📊 どの費目にお金を使っているか、一目でわかる!
【例②】日別の支出推移(折れ線グラフ)📉 どの日にたくさん使ったかチェック!
[Read More]Azure Blob Storageを活用した安全な研究・開発用データ置き場の構築
Posted on February 11, 2025
|
Azure Blob Storageを活用した安全な研究・開発用データ置き場の構築 1. はじめに 数学・工学系の研究者や開発者にとって、大規模なデータセットを安全に保存し、アクセスできる環境は不可欠です。特に、シミュレーションデータや実験データの長期保存、共同研究のためのデータ共有、機械学習のトレーニングデータ管理などのユースケースでは、スケーラブルで高いセキュリティを持つクラウドストレージが求められます。
本記事では、Microsoft Azure Blob Storageを活用して、安全な研究・開発用のデータ置き場を構築する方法を紹介します。
2. Azure Blob Storageとは? Azure Blob Storageは、Microsoft Azureが提供するクラウドベースのオブジェクトストレージで、以下のような特徴を持ちます。
スケーラブル:データ容量に制限がなく、大規模データの保存が可能。 高セキュリティ:データ暗号化、アクセス制御、リージョン冗長性が標準提供。 コスト最適化:アクセス頻度に応じたストレージ階層(Hot, Cool, Archive)を選択可能。 グローバルアクセス:インターネット経由で世界中から安全にデータにアクセス可能。 3. 研究・開発用途での活用方法 Azure Blob Storageは、以下のような研究・開発のユースケースに適しています。
3.1 数学・工学系研究データの保存・管理 大規模な数値シミュレーション結果(例:気象シミュレーション、流体解析)をクラウドに保存し、研究チーム内で共有。 数学的モデルや計算結果を長期保存し、後の再検証に活用。 研究論文のデータセットを公開し、共同研究者や学生と共有。 3.2 AI・機械学習用データセットの管理 トレーニングデータの保存:画像・音声・テキストデータを大量に保持し、Azure Machine Learningと連携可能。 モデルのバージョン管理:学習済みモデルをBlob Storageに保存し、実験の再現性を向上。 3.3 実験データの長期アーカイブ 物理・化学・生物学の実験データをAzure Archive Storageに移動し、低コストで長期保存。 IoTセンサーやロボットのログデータを保存し、長期的な解析を可能に。 4. セキュリティとデータ保護 Azure Blob Storageは、高度なセキュリティ機能を提供し、研究データを安全に管理できます。
4.1 データ暗号化とアクセス制御 デフォルトでデータ暗号化(Azure Storage Service Encryption)。 Azure Active Directory (Azure AD)と統合し、厳格なアクセス制御を実施。 ネットワークレベルの制限(Private Link, Firewall)により、不正アクセスを防止。 4.2 リージョン冗長性(Geo-Redundancy) データの自動バックアップ:地理的に異なるリージョンにデータをレプリケーション可能。 **RA-GRS(Read-Access Geo-Redundant Storage)**により、障害時にも別リージョンから読み取りが可能。 5.
[Read More]Azureストレージを活用した外部ストレージの再現とその活用方法
Posted on February 10, 2025
|
Azureストレージを活用した外部ストレージの再現とその活用方法 1. はじめに 研究データや実験結果の保管には、長期的に安全に保存できるストレージ環境が必要です。特に、数学・工学系の研究者にとって、大量のシミュレーションデータや測定結果を管理するための予備データ保管庫の構築は欠かせません。本記事では、Microsoft Azureのストレージサービスを活用して、外部ストレージを再現する方法を解説します。
2. Azureのストレージサービスとは? Azureにはさまざまなストレージサービスがあり、用途に応じたデータ管理が可能です。以下に主要なストレージサービスを紹介します。
2.1 Azure Blob Storage(オブジェクトストレージ) 特徴: 大量の非構造化データ(例:画像、動画、バイナリデータ)の保存に適している。 用途: 研究データやバックアップの長期保存。 2.2 Azure Files(クラウドベースのファイル共有) 特徴: SMB/NFSプロトコルをサポートし、オンプレミス環境とも連携可能。 用途: 実験データや論文のバージョン管理、共同研究環境のファイル共有。 2.3 Azure Data Lake Storage(大規模データ処理向けストレージ) 特徴: 大量のデータを分析・処理するための最適化がされている。 用途: AI・機械学習モデルのトレーニングデータの保存。 2.4 Azure Archive Storage(低コストの長期保存向け) 特徴: 頻繁にはアクセスしないが、長期保管が必要なデータ向け。 用途: 過去の実験データ、学術研究のアーカイブ。 3. 予備データ保管庫の構築と活用 3.1 研究用途での活用 数学・工学系の研究者は、以下のようなユースケースでAzureストレージを活用できます。
機械学習・AI研究:大量のトレーニングデータをAzure Data Lakeに保存し、Azure MLと連携。 実験データ管理:Azure Blob Storageを用いて実験データをバージョン管理。 論文・資料管理:Azure Filesを利用し、共同研究チームでのファイル共有をスムーズに。 3.2 セキュリティとデータ保護 データ暗号化: 保存時(静的データ)と転送時(動的データ)の両方で暗号化が可能。 アクセス制御: Azure Active Directoryと統合し、厳密な権限管理を実現。 リージョン冗長性: 地理的に離れたデータセンター間でバックアップが可能。 3.3 スケーラビリティの考慮 Azureストレージは、使用量に応じて拡張可能なため、研究データが増えても問題なく対応可能です。
ストレージサービス 容量制限 自動スケール 主要な用途 Azure Blob Storage 無制限 ◯ 研究データ・バックアップ Azure Files 100TB ◯ チームでのファイル共有 Azure Data Lake 無制限 ◯ AI・機械学習データ Azure Archive Storage 無制限 ◯ 低コストの長期保存 4.
[Read More]Microsoft Cloudを活用したCTF競技・学習環境の構築妄想
Posted on February 9, 2025
|
Microsoft Cloudを活用したCTF競技・学習環境の構築妄想 1. はじめに Capture The Flag(CTF)は、サイバーセキュリティを学ぶための競技形式の学習プラットフォームとして広く利用されています。 Microsoftのクラウドサービスを活用してCTF環境を構築する方法を考えてみたので、それらを列挙整理し、特に数学・工学系の研究者が活用できるユースケースもおまけとして紹介します。 費用や運用規模、管理コストなどは考慮せずに、ぱっと思いついたユースケースやメリットを整理しております。その点はご了承ください。
2. 基本的な用語解説 (1) CTF(Capture The Flag)とは? CTF(Capture The Flag): セキュリティの脆弱性を発見し、課題を解決する競技形式のイベント。 ジャンプボックス(Jump Box): 安全な管理環境を提供する中継サーバー。 仮想ネットワーク(Virtual Network): クラウド内で構築される仮想的なネットワーク環境。 コンテナ(Container): 軽量な仮想化技術を利用した隔離環境。 (2) Microsoft クラウド関連技術 Azure Virtual Machines: クラウド上で仮想マシン(VM)を作成できる。 Azure Kubernetes Service(AKS): コンテナ化されたCTF環境をスケーラブルに運用可能。 Azure DevOps: CTF用の課題環境を自動構築するためのCI/CD機能を提供。 Microsoft Defender for Cloud: CTF環境のセキュリティ監視を実現。 3. CTF環境の構築手法 (1) クラウドを活用したCTFの利点 項目 クラウド活用 従来のオンプレミス 柔軟性 必要なときに環境をスケール可能 物理サーバーの構築が必要 管理負担 Azureのマネージドサービスを活用 手動管理が多く負担大 セキュリティ Azure Security Centerで管理 物理環境のセキュリティ設定が必要 (2) Azureを利用したCTF環境の例 仮想マシンベースのCTF環境: Azure Virtual Machinesを活用し、Kali LinuxやWindows Serverを構築。 コンテナ化された環境: Azure Kubernetes Service(AKS)を利用し、競技用サーバーを分離管理。 CI/CDを活用した自動デプロイ: Azure DevOpsを用いて、CTF問題のデプロイを自動化。 4.
[Read More]Azure OpenAI Serviceの概要と応用
Posted on February 8, 2025
|
続Azure OpenAI Serviceの概要と応用 1. はじめに Azure OpenAI Serviceは、MicrosoftのAzureクラウド上でOpenAIの高度な言語モデル(GPTシリーズ)を利用できるサービスです。 一年程前に、セキュリティの観点から、OpenAI APIとOpenAI Serviceを交えたハンズオンを行いましたが、 本記事では、基本的な用語解説を行いながら、数学・工学系研究者向けのユースケースを紹介し、情報セキュリティやスケーラビリティの観点からの比較も行います。
2. 基本的な用語解説 (1) Azure OpenAI Serviceとは? Azure OpenAI Service: OpenAIの大規模言語モデル(LLM)をAzure環境で利用できるクラウドサービス。 LLM(Large Language Model): 大量のテキストデータを学習し、自然言語処理を行う人工知能モデル。 APIエンドポイント: OpenAIモデルにアクセスし、テキスト生成・要約・翻訳などを行うためのインターフェース。 (2) 関連技術と概念 Fine-tuning(ファインチューニング): 特定の用途に最適化するために、追加データでモデルを調整する手法。 Embeddings(埋め込み): 単語や文を数値ベクトルに変換し、検索や分類に活用する技術。 Prompt Engineering(プロンプト設計): 望む出力を得るための入力文の工夫。 Token(トークン): LLMが処理する最小単位のテキスト(単語の一部や記号を含む)。 3. 数学・工学系研究者向けユースケース (1) 数式解析とテキスト要約 LaTeXコードの自動生成: 数式を自然言語で説明し、それをLaTeXコードに変換。 論文要約・翻訳: 長文の学術論文を要約し、異なる言語に翻訳。 (2) データ分析支援 データセットの前処理コード生成: PythonやRのコードを自動生成。 統計モデルの解釈: AIが統計的分析結果を解説。 (3) 研究プロジェクト管理 研究ノートの自動整理: AIがプロジェクトの進捗を整理し、タスク管理を支援。 コードレビュー補助: AIが数値計算やアルゴリズムのコードを解析。 4. 情報セキュリティとスケーラビリティ (1) 情報セキュリティの観点 項目 Azure OpenAI Service OpenAI API(一般公開版) データの保持 ユーザーのデータはAzure上で管理 一部データがモデル学習に利用される可能性 アクセス制御 Azure Active Directory(AAD)による制御 APIキーによる制御 コンプライアンス GDPR、ISO 27001準拠 一部要件が未対応 Azure OpenAIは企業向けのセキュリティ基準に適合し、データ保持やアクセス管理が強化されている。 (2) スケーラビリティの観点 項目 Azure OpenAI Service 他クラウドのAIモデル スケールアップ Azureのスケールセットを活用 プロバイダーごとに異なる APIレスポンス速度 地域ごとのAzureデータセンター最適化 一部のプロバイダーは遅延が発生する可能性 コスト管理 従量課金制で利用可能 一部サービスは固定料金 企業や研究機関のニーズに応じてスケール可能な点が強み。 5.
[Read More]今風なTeX執筆環境をMicrosoft社のクラウドサービスを駆使し手に入れる。
Posted on February 7, 2025
|
今風なTeX執筆環境の構築と運用 1. はじめに 数学・工学系の研究者や学生にとって、昭和の頃から、TeXは論文執筆(国際会議や卒論等)やレポート作成に欠かせないツールです。本記事では、クラウド環境を活用した最新のTeX執筆環境の構築方法や、代表的なオンラインTeXサービス(Overleaf・Cloudlatex)との比較を交えて解説します。
IEEE CollabratecのOverleaf 無料特典も終了してしまい、多くの若手研究者が今後を悩んでいる人も居ると思います。現状を整理し、Microsoftのクラウドサービスを用いたTeX執筆環境の構築についても説明し、今後の年度末の卒論・修論・博論などの執筆環境が進化できることを願っています。
2. 基本的な用語解説 (1) TeXとは? TeX(テフ): 数式表記を得意とする高品質な組版システム。 LaTeX(ラテフ): TeXの上に構築された文書作成システムで、より使いやすい。 (2) クラウドTeXとは? クラウド上でTeXを動作させ、インターネット経由で編集・コンパイルできる環境。 代表例: Overleaf、Cloudlatex。 (3) コンテナベースのTeX環境 Dockerを利用したTeX環境: TeX LiveやMiKTeXをDockerコンテナで管理。 利点: 環境構築が容易で、再現性が高い。 (4) CI/CDとTeX **CI/CD(継続的インテグレーションとデリバリー)**をTeX執筆に応用することで、自動コンパイルやバージョン管理が可能。 代表例: GitHub Actions + TeX Live。 3. クラウドTeXサービスの比較 サービス名 価格 機能 メリット デメリット Overleaf 無料プランあり、有料プラン$15/月~ リアルタイム共同編集、Git連携 直感的なUI、豊富なテンプレート 無料プランは制限あり Cloudlatex 無料プランあり、有料プラン$5/月~ 日本語環境に最適化 日本語対応が強い 利用者が少ない Azure DevOps + VS Code + Docker 従量課金 フルカスタマイズ可能 ローカル環境と統一、CI/CD対応 環境構築の手間がある 4. Microsoftクラウドを用いたTeX執筆環境の構築 (1) Azure + VS Code + Remote Containers Azureアカウント作成(Azure公式サイト)。 Azure Virtual Machines(Linux)をデプロイ。 VS CodeのRemote - Containers拡張機能を利用。 Dockerを利用してTeX環境を構築(texlive/texlive イメージなど)。 (2) CI/CDを用いた自動コンパイル環境 GitHub Actions + TeX Live でプッシュ時にPDFを自動生成。 Azure DevOpsを利用して継続的なビルド・デプロイを実現。 (3) OneDriveを活用したドキュメント管理 OneDrive上に.
[Read More]